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2015年08月16日

ゆるいネックポケットを作ってみました。

IMG_4613.JPG
今回実験に使ったギターは、Fender Custom Shop 1969 Closet Classic Stratocasterです。
元々は、ネックを外す際に少し抵抗を感じるくらいピッタリに仕上げられたポケットでした。
精度が悪い感じではありませんでした。
 
世間でも、ここの精度を気にする人は多いようです。
最近のハイエンド系や工房系の楽器は、精度良くピッタリ隙間のないサイズで作られているものが多いですね。
 
しかし、逆にここがゆるゆるだとどうなのかと思い、両脇の壁の部分を削ってみました。
ゆるいポケットに悪い印象を受ける方は多いです。
見た目でも、単純に精度が悪くて良くないだろうと思うのもまぁ分かります。
 
そこで、実際に上記のストラトのポケットを削ってみました。
作業後は、画像にあるように弦の袋がスルっと入る位の隙間ができました。
目で見ても隙間があるのがわかります。
隙間自体は0.5mmだろうが3mmだろうが、ネックにポケットの壁が触れていなければ音への影響は同じかと思います。
ただ、ガッツリ隙間っぽいのは精神衛生上よろしくないかとは思います。
もちろん、一度削ってしまうと後戻りは出来ません。。。
 
結果この個体に関しては、生鳴りが結構大きくなりました。
弦が、以前より自然に振動出来るようになったようにも感じます。
 
また、元々あった音の固さも薄くなりソフトになったように感じます。
アンプに繋いでみると、出音が太くなっています。
のっぺりし過ぎない適度なソフトさを感じます。
ピッキングの強弱の感じは、以前よりも出しやすくなっています。
 
ポケットがゆるくなる事で、ネックのセンターずれが起きやすくなるかと思いましたが、ジョイントネジの穴の精度が悪くなければ、そこまで問題ではなさそうです。
 
実際に試した感じでは、悪い感じは全くしませんでした。
むしろ、僕的にはこちらの方が断然好みですね。
 
こうして楽器をいじっていくと、全ての部分がピッタリと精度良く作っても、気に入った音が出てくれるわけではないんだとつくづく感じます。
他の楽器も、削ってゆるくしてみようかと思います。
 
ただ、実際には弾く場所に行って使ってみないとわからない部分もあると思うので、今度どこかに持ち出して試してみたいと思います。
 


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タグ:Mesaの日記
posted by Mesa at 12:56| Comment(3) | 修理 / Mesaの日記
この記事へのコメント
実に興味深い内容です。
Posted by 島田 直 at 2015年08月21日 19:20
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